そんな中、ソレイユはおやつを食べようと台所に出ると一人の男が立っていた。

「キャアアアアアアアッ!泥棒!!」
騒ぎを聞きつけマイケルとフローラが駆けつけるとすぐに警察に通報した。通報を受け駆けつけたサニーは男を取り押さえようとするが、男は突然倒れた。しかし会話はできる状況だったので事情を聴くことにした。

「俺は失業して仕事を探してたけどなかなか見つからなくてせっかく見つけても面接や書類選考で断られるだけで貯金は減り、追い打ちをかけるように原料の高騰だかで何でもかんでも値上げしまくるせいでまともに飯も食えれなかったんだ。」

事情を聴いたマイケルは医療班を呼び、体内を検査すると異常もなく彼の現状から逮捕はせず何らかの支援を考えた。するとソレイユはあることを思い出した。

「今日無料のランチバイキングがあるからそこに彼も招こうよ。」
ソレイユの提案に一同は受け入れた。

そして迎えたランチバイキング。彼は空腹を満たすかの如く黙々と食べ続けた。そんな彼にマイケルはあることを提案した。

「仕事を探してるなら我がグループで雇用しよう。」
マイケルは彼をグループ企業で雇用することにしたのだ。彼はマイケルによって再び安定した生活を送れるようになったことだろう。

貧困に陥ってた人を雇用して救ったマイケルは休日を利用して家族と出かけていた。

すると突然ソレイユが何者かに連れ去られてしまう。二人はサニー・ルージュとともにソレイユを連れ去った犯人を追った。

(ソレイユ、無事でいてくれ・・・)
マイケルは娘の無事を祈った。

一方ソレイユはトラックの荷台に置かれ、複数のグループに囲まれていた。そのうちの一人がスマホをかけた。
その頃マイケルの元にスマホのアラームが鳴った。運転中のマイケルに代わってフローラが出ると犯人からだった。

「娘は預かった。返してほしけりゃ1億ドル用意しろ。」
フローラは犯人の目的をサニー達に打ち明けた。

「1億か・・・ソレイユのためだ。生きて返してくれるならすぐ用意できるぞ!」
マイケルは1億ドルを用意すべく準備をした。

その頃犯人のトラックでは仲間の一人がソレイユに近づいた。

「何をするつもりなの?」
ソレイユが疑問に思った瞬間男は彼女に抱きついたのだ。

「キャッ!やめてよ!!」
ソレイユは振りほどこうとするが、男は止めない。

「俺はお前が気に入ったんだよ。早く俺の嫁になれ。」
男は更にすり寄ると今度はスカートの中に手を入れた。我慢の限界が来たソレイユは遂に怒りを爆発させた。

「いい加減にしなさい!!!」
ソレイユはセクハラをしてきた男にパンチやキックをお見舞いした。見張りで囲ってる犯人達は一斉にソレイユに襲い掛かるが、ソレイユは怯むことなく同じようにパンチやキックをお見舞いし全員倒した。あまりの強さに一行は唖然としたのだった。

そして畳みかけるようにソレイユは光弾を犯人グループにぶつけたのだ。あまりの衝撃に親分はトラックを止めて自ら荷台に入ると刃物とマシンガンを取り出した。

「こいつを連れ去ったのは失敗だった。ならば殺してやる!」
親分はソレイユを殺害しようとするが、ソレイユは果敢にも親分に立ち向かいパンチとキックで圧倒すると光弾を放ち攻撃をした。こうしてソレイユはたった一人で犯人グループを一掃したのだった。

一方サニー達はトラックを追って走り続けていた。すると再びスマホのアラームが鳴り出るとソレイユからだった。無事を知ったマイケルとフローラは安堵するとソレイユはトラックから出て場所とトラックのナンバーを伝えた。
ソレイユからの情報をもとに走り続けてると遂にソレイユと再会したのだった。するとマイケルとフローラはその光景に驚いた。

「もしかしてこれ全部自分で倒したのか?」
「そうよ、私にあまりにもしつこかったから抵抗したら全員倒せたの。」
「すごい潜在能力ね。」

ソレイユの抵抗で犯人は全員倒され、ソレイユはマイケル・フローラ夫妻の元に帰った。そして犯人達は全員略取誘拐で逮捕され、犯行グループは壊滅したのだった。

高い潜在能力を持ち、複数の敵をいとも簡単に蹴散らすほどの腕っぷしを持つソレイユだが、なんやかんやで女の子らしい一面も持ち合わせている。そんな彼女はサニー、ルージュを姉のように慕い、懐いている。二人はソレイユが生まれた頃からよく面倒を見たりしていたのでそれは仲睦まじい姉妹のようだった。

そんなある日、3人はショッピングモールに来ていた。店で買い物をしたりゲームセンターで遊んだりと休日を満喫していた。すると3人はある親子と出会った。

「女王様お久しぶりです。」
サニーが女王と呼ぶ人物、それは地球初の女王となった。フェリーチェだった。彼女は王になったことで名前をフェリーチェ・クイーン・アースに改めたが、王女だった頃と同じく白色のワンピースを着て頭に帽子を被っていた。そして彼女の両隣には王を引退し、彼女の付き人となったカナタとマーメイドがいた。

「わたくしのことはフェリーチェで構いませんよ。」
フェリーチェは微笑みながらそう言った。女王になり、成長した彼女は大人のお姉さんとしての気品を漂わせていた。合流した6人は一緒に娯楽を楽しんだ。

そして時間は過ぎ、一行は店を出た。すると外は強風が吹き荒れていた。女性陣はスカートがめくれ上がらないように手で押さえながら歩くが、フェリーチェが被ってる帽子が風に飛ばされてしまったのだ。サニーはルージュとソレイユに王族達と待機するよう言い残すと帽子が飛ばされた方へ走っていった。

その頃とある広場では男女二人組が何かを探していた。
「いいもん見つけたらすぐ売っちまおうぜ。」
「すごいお宝なら一生遊んで暮らせそうね。」

するとそこに飛ばされてきた帽子が落ちてきた。
「これ金目になりそうじゃね?」

一方サニーは帽子を探していたが、なかなか見つからずにいた。そのうえ強風でスカートがめくれ上がらないよう押さえていると舞い上がったマントが頭に被さって視界が遮られることもあり、捜索は難航を極めていた。するとサニーは二人組の男女がフェリーチェの帽子を持ってるのを見つけた。

「その帽子返して。その帽子は大切な人の大事な物なの。」
サニーは二人組に返すよう要求するが、二人はその気にならない。

「バーカ!これは金儲けに売るんだよ。」
「誰のものであろうと勝手でしょ!」
全く悪びれない二人、すると今度は帽子を投げ捨てたのだ。

「返してほしけりゃ取り返してみろってんだよ!」
二人の挑発をよそにサニーは帽子をキャッチすると警察に連絡した。捜査の結果、二人は落とし物を盗んではオークションで稼いでいることが発覚し、逮捕された。

一方帽子を取り戻したサニーはすぐにフェリーチェの元へ戻った。フェリーチェはサニーに感謝を述べると城に帰っていった。

そんなある日、外部から視線を感じるという通報を受けたサニーは現場の屋敷に来ていた。サニーは新人メイドとして黒いロングスカートのメイド服に着替えると仕事をしながら異変がないか調査した。

すると玄関の方から気配を感じたので外に出ると一人の男が屋敷を撮影していた。

「そこで何されてるんですか?」
サニーが声をかけると男は目的を明かした。

「俺は学園刀の完結編の監督で舞台の一つである屋敷のモデルを探していたんだ。そしたらこの屋敷が雰囲気的に良くて・・・って君もしかしてサニーか?」
男はなぜかサニーを知ってるようだった。するとサニーも何か思い出したようで

「もしかしてジョッカ?」
男は名前を聞かれるとそうだと答えた。

ジョッカはあの時の戦いで死亡したかと思われたが、昏睡状態に陥ってただけで治療の末に回復した後爆破テロと殺人未遂で逮捕され、10年ほどの服役を経てアニメの制作現場に復帰すると学園刀の監督を任されていたのだ。

「私学園刀見てますよ。撫子のキャラも私に通じるものがあって感情移入したりするの。完結編楽しみにしてるね。」
「ありがとうございます。気合い入れて作るので期待してください。」
サニーとジョッカは言葉を交わした。

その後、サニーは事の真相を住人に伝えると学園刀のモデルに選ばれたことに大喜びしたようで作品のユーザーであるとのことだ。潜入捜査を終えたサニーはメイドの仕事を終えて屋敷を後にした。

後日学園刀の完結篇が放送され、学校を卒業する撫子は卒業パーティーで番人役を後輩に託すのだが、会場となった屋敷でテロリストが立てこもってしまった。撫子は最後の一仕事にとテロリストとの戦いに実を投じた。

時に窮地に陥る撫子だが、学校と皆を守り安心して後輩に番人を託せるよう決してあきらめずに戦った。戦いの末撫子はテロリストを制圧し、卒業パーティーは再開された。
卒業パーティーで盛り上がる中エンディングが流れ、学園刀は長い歴史に幕を下ろした。

しかし完結後も人気は根強く撫子の娘が新たな番人となる新作が作られたり関連特番が放送されたりといった動きがあり、学園刀の勢いはまだまだ続くのであった。

学園刀を見てたサニーは撫子のコスプレも考えたようだが、メイド服を着たことも忘れられずメイドのコスプレも考えてるようだった。

そして数日後、ルージュとマイケル一家がサニーの家を訪れると中から撫子?が現れた。彼女の正体を一行は知っていた。

「サニー何やってんの?」
一行が驚く中サニーは事情を明かした。

「学園刀見てたらやってみたくなっちゃって気が付いたらやってたの。みんなもコスプレやってみない?」
サニーに誘われた一行は自分達も何かやってみようか考えたのだった。

そんなある日、一軒の家に忍び込む怪しい男がいた。男は留守中の家に侵入すると金品を奪い、家を出た。
男はその場を走り去ろうとするが、突然謎の女に拘束された。

ピンク色の二つ結びに黒色のワンピースを着てその上から青色のマントを纏った女は男に迫った。
「盗んだものはわたくし怪盗Xが頂くわ!」

Xは男の鞄を強奪すると被害にあった家に入り、盗難品をもとの家に戻した。
一仕事終えたXは家を出るとさっきの男が銃を構えていた。

「てめえよくも俺の盗品を奪いやがったな!!」
男はXに向けて発砲しようとすると逆にXに撃たれてしまう。

「私が撃ったのは麻酔だから安心しな!」
Xはそう言うと屋根伝いに飛びながら去っていった。

その後もXの活躍で多くの泥棒や強盗が御用になり、盗品奪還は続いた。これを見た署長はサニーにXを捕まえることを要求した。しかし

「でもXは泥棒や強盗の被害から守ってるんですよね?それなのに捕まえるなんて酷じゃないですか?」
サニーは疑問をぶつけるが、署長の態度は変わらなかった。

「とにかく捕まえてこい!もし奴に加担することがあればサニーといえどクビは免れないからな。」
サニーは署長に後押しされる形で出動した。

街を見渡すと特に変わった様子もなかった。しかし突然通行人がひったくりにやられてしまい、サニーが犯人を追うと青色のマント姿の女が目の前に現れると彼女はそれを奪い、元の持ち主に帰した。彼女こそXだったのだ。

「あなたが怪盗Xね。」
サニーは彼女に問いかけた。

「そうよ。わたくしは怪盗だけど盗まれたものを取り返すことを専門にやってるの。」
Xの言葉にサニーは感銘を受けるが、同時に署長の言葉が頭によぎった。

「あなたは正義のために努力してることは評価する。けど怪盗である以上野放しにはできないわ。よってあなたを逮捕します。」
サニーはXに手錠をかけようとした。するとXはどこからか取り出したトランプのカードでサニーから逃れた。

「わたくしは被害者を助けるためにやってるのよ。それを犯罪者扱いするなんて悪人と一緒よ!」
Xの言葉に周囲の人々は賛同し、普段は英雄視されてるサニーは逆に敵視されてしまった。

(Xを許したら私への評価は良くなるけど刑事でいられなくなるし逆に捕まえたら私の味方はいなくなっちゃうかも・・・)
サニーは苦悩した。

すると突然銀行が襲撃される事件が発生した。犯人は現金の強奪に成功すると車に乗り逃走した。
後を追おうとするも時すでに遅く犯人に逃げられてしまった。するとXはあることを思いついた。

「わたくしがあなたを背負うからしっかりつかまってて。」
Xはそう言うとサニーを背負いながら走り始めた。

サニーを背負いながらも車と互角の速さで民家の屋根を飛び越えるX。やがて車が信号に引っかかった隙に歩道に飛び降りるとXは特殊なレーザー光線でドアを破壊するとサニーと共に侵入した。
突然の侵入者に驚く中サニーはハンドルを奪うと反対車線にUターンして銀行に戻った。強盗は全員逮捕され、奪われた金銭は全額戻されたのだった。

事件が終息して一息つくとサニーはこう言った。

「あなたの逮捕は見送るわ。これからも怪盗の仕事頑張るのよ。」
サニーはXの活躍を後押しした。

その後、サニーは署長に呼び出された。署長はサニーにこう告げた。

「強盗を捕まえたことは評価しよう。しかし君は怪盗を捕まえるどころか活躍を後押しした以上刑事としてあってはならないことだ。そんなわけで今日限りで辞めてもらうよ。」
サニーは刑事をクビになってしまった。

職を失ったサニーは転職するのかと思いきや宝くじを購入していた。

「当たるといいなあ。」
サニーは当選を願った。

結果発表の日、サニーは自分が選んだ数字があるか調べると全て一致していたのだ。一等は6億ドルでキャリーオーバー時には10億にもなる。サニーが当選したときはキャリーオーバーで10億を引き当てたのだった。

サニーは銀行で手続きを済ませると当選金が振り込まれ、サニーの通帳は一気に10億を超えたことで定職につかなくても生活できるようになったのだ。それからは自警しながら生活を送ってるようだ。

そんなある日、サニーはいつものように街を歩いていた。一通り歩くと異変がないことを確認した。
そんなサニーの前にXが現れた。Xは辛そうな表情を浮かべていた。

「どうしたの?」
サニーが声をかけるとXは口を開いた。

「わたくしのせいで仕事クビになったんでしょ?これ以上不幸を味わいたくないならもう関わらないで!」
Xはサニーが解雇されたのを非常に気にしていたようだ。

「Xは何も悪くないよ。泥棒に盗まれたものを本来の持ち主に返してやるのは全然悪いことじゃないしむしろいいことよ。」
サニーはXを宥めた。

そんな中Xは骨董品が盗まれた気配を感じ、盗品を追跡し始めた。サニーも彼女を追って協力した。

そしてたどり着いた先はマフィアのアジトだった。二人は敵の仲間を装って潜入すると盗品を探した。しかし盗品はどこを探しても見つからなかった。

すると突然警報ブザーが鳴った。ブザーが鳴り響く中二人の前に現れたのはマフィアのボスだった。

「そこで何やってる?てめえら俺を騙して盗みやがって!この泥棒猫が!!」
ボスは凄まじい剣幕で詰め寄った。

「あんたこそ泥棒してるのに人のこと言えないでしょ!?」
「まさにお前が言うなですわ!!」
二人は果敢にもボスに反論した。そんな二人にボスは銃口を突き付けた。

「この俺に意見するとか100年早いんだよ!今すぐくたばれ!!」
ボスは発泡しようとするが、二人は素早く後部に回り込むと一斉に攻撃を仕掛けた。攻撃を受けたボスはその場に倒れた。

その後、マフィアのメンバーは全員逮捕され、組織は壊滅した。盗まれた骨董品も持ち主に返されたが、持ち主はなんと署長だったのだ。

署長はサニーを解雇した後警察による検挙率が下がっただけでなく署長の独善的な理由に対するバッシングが沸き起こり、精神的に追い込まれていたという。サニーとXが盗品を奪還したことで署長はサニーに復職を呼び掛けた。サニーは署長の呼びかけに答え、刑事に復職したのだった。

そんなある日、サニーは街を歩いてると突然何者かの襲撃を受けた。彼女を押さえつけていたのは紫色のボブカットの女の子だった。

「私はあなたを殺します。そして他の人間も全員殺します。」
少女はそう言いながら手から光線を放とうとするとサニーに突き飛ばされた。

「どうしてそんなことを・・・」
サニーに聞かれた少女はその目的を明かした。

「私はアムール。アンドロイドとして作られた私は開発者の命令で無差別殺人を起こして人類を滅ぼすことを目的に作られました。手始めに目的の障害となるサニーを殺すことで計画を遂行しやすくするためにあなたを狙ったのです。」
アムールは手から光線を放った。サニーも手から光線を放ち、光線の押し合いとなった。

目一杯の力で押しあう光線は火花を散らし、やがて激しい爆発を起こした。すると二人は息切れしたのだった。

それでもなおサニーに攻撃をしようとするアムールだが、なぜか動きが止まった。

「いったいどうしたの?」
疑問に思うサニーにアムールは打ち明けた。

「なぜか攻撃ができません。何かバグが起きてる気がします。まさか感情が芽生えたのでしょうか・・・」

思わず混乱するアムール。サニーはそんな彼女の頭をなでながらこう言った。

「感情が芽生えるのはアンドロイドやロボットも一緒よ。きっと悪事に走りたくないという思いが強く出てるのよ。」
サニーの言葉を聞いたアムールは悪事から抜け出す決意をした。

「アムール、お前親の命令に背いたな?」
背後から声のしたほうへ振り替えるとそこには一人の男が立っていた。それを見たアムールは戦慄した。

「父上、なぜ・・・」
アムールが父と呼ぶ男。彼こそが彼女の開発者だった。

「俺は愚かな人類を絶滅させるべくお前を作った。最後に残った俺はお前とともに本来の地球を取り戻す活動をしようとしたのに生みの親を裏切ったな!?ならばサニーとともに消えてもらおうか。」
開発者はそういうと爆弾を投げつけた。アムールは爆弾を空高く飛ばし、事なきを経た。

しかし開発者はあきらめず今度はサニーを標的にした。

「死ね!」
開発者はマシンガンを放とうとした。するとアムールは破壊光線を放った。攻撃は彼に命中し、その場で死亡した。

脅威は去ったが、居場所を失ったアムール。サニーはそんな彼女を自宅に住まわせたのだった。しかしながらアンドロイドの彼女をどのように生活させるか悩んでいた。衣食住のうち食については人間と同じようにさせられるのか困っていたのだ。

そこへアムールが助け舟を出した。

「私の体は人間と同じようにできてるので食事は普通にできますよ。」
この言葉を聞いて食の問題は解決した。

翌朝、アムールが目覚めるとサニーは彼女を見て唖然とした。

「一晩でいきなり伸びてるけどどうしたの?」
アムールはボブカットのはずだが突然ロングヘアーになっていたのだ。

「実は私髪型を自在に変えられるのです。長さや色も一瞬で変えられるので変装に役に立つでしょう。今のは寝ぼけてこうなっちゃいましたが。」
アムールはそう言いながら昨日のボブに戻った。

その後二人は顔合わせもかねて街に出た。ルージュやマイケル一家にも気に入られ、特にソレイユに気に入られていた。
そんな中6人は町に新しくできたビルの完成式典を見ていた。式典が終わり、ビルがオープンするとサニー達はさっそく中に入った。
ガラス張りのエレベーターは眺めも良くしばしの絶景を楽しんだ。やがて最上階に到着し、展望に出るとそこには絶景が待っていた。町最大のビルからは遮るものがなく町全体が見渡せた。

すると突然爆発音とともにビルが揺れた。その直後に館内放送が流れ、ガス漏れによる爆発で火災が発生したことが告げられた。サニー達は非常階段で降りようとするが、無情にも炎に阻まれていた。

「これじゃ逃げられないよ。」
サニーは困り果てる。もちろんエレベーターは使用不能だ。しかしアムールは一か八かの賭けに出た。

「私なら水が出せるかもしれません。」
アムールはそう言うと手から放水した。すると炎は消え、サニー達は非常階段で降りて行くが、容赦なく爆発が続いた。やがて外に出るとビル全体に燃え広がっていた。全員避難が完了したかに見えたが、アムールはエレベーターを見て気づいた。

「エレベーターに人が閉じ込められています。」
アムールの言葉に反応してエレベーターを見上げるが、高い位置で見えづらかった。すると中から助けを求める人々が僅かに確認できた。ビルの周囲からは消防車が全力で放水しているが、火の勢いは衰えない。

するとビル内で激しい爆発が起き、衝撃でエレベーターの箱が外に飛び出したのだ。ロープは切れていないが、エレベーターは宙づり状態になってしまいロープが切れて落下したら死傷者の発生は避けられない状況になってしまった。

エレベーターの中はすでにパニック状態ですでに死を覚悟してる者もいた。消防士はクレーンで救出を試みるもエレベーターまで届かなかった。そこで今度はヘリで救助を試みるが、風圧でエレベーターが揺さぶられるうえに接触の危険があり断念した。

時間だけが過ぎていき、火も衰えず燃え続けるビル。もはやこれまでかと思った時だった。

再び爆発が起きるとエレベーターはロープが切れて落下した。するとアムールは我先にとエレベーターに向かい下からキャッチした。アムールのとっさの判断でエレベーターに取り残されていた客は全員救助された。

しかしビルは激しい爆発が続き遂に崩落してしまう。一同はその場から逃げ、負傷者は出たものの幸い死者は出なかった。

その後、ビル崩落の原因が手抜き工事によるものであることが判明し、他の業者によって再建された。一方崩落の原因を作った業者は得意先を失い、そのまま破産したようだ。

そしてアムールは窮地を救った英雄としてもてはやされたそうだ。

そんなある日マイケル一家はソレイユの友人のセレーネの親の結婚記念日パーティーの準備の手伝いに来ていた。セレーネの父親が経営する会社はマイケルの会社と業務提携をしており、会社ぐるみで親交があった。そんな中執事がポストに届いた手紙を読むとそこには娘をいただくと書かれていた。
それを聞いたソレイユはサニー達の手を借りた。

当日を迎え、一人の少女がメイド希望者として現れた。ルーマという名の彼女は黒髪のロングでメイドの世界を経験したいというのだ。執事は彼女の願望にこたえ、体験実習という形で迎え入れた。

ルーマはメイドとして働きながら不審なことが起きてないかチェックしていた。そんな中セレーネがトイレに向かった時事件は起きた。何者かが背後からセレーネの口をふさぎながら捕まえたのだ。それを見たルーマはセレーネを助けるとその人物を取り押さえた。

「離せこの野郎!てめえ女のくせになぜ押さえられる?」
必死で抵抗する男にルーマは素顔を見せた。

「あなたを押さえられるのは私だからです!」
ルーマはそう言うと髪の毛が紫色のボブカットに変わった。その姿を見たセレーネはすぐにアムールと気づいた。

アムールはセレーネを救うべく変化の能力を利用してメイドの実習生となって異変が起きてないかチェックしていたのだ。
やがてサニーが駆け付けると男はそのまま連行された。しかし元の髪形に戻る際騒ぎを聞きつけた参加者や使用人が集まってたため変化の能力がばれてしまったのだった。執事から何かしら処分される覚悟をしていたが、執事は彼女の能力を称賛するとまた何かあったときは頼むと言い残した。

なんやかんやあったもののパーティーは無事に終了し、ベッドで眠り始めたセレーネはいつかまたアムールに会えることを願っていた。

翌日、ソレイユとセレーネは下校中にアムールと会った。アムールはまたセレーネに会いたがっていてセレーネはそれがうれしくてたまらなかったようだ。

一方とある惑星では一人の男が悪者を倒していた。ゲンムという名の男は星々を渡り歩いては数々の悪党と戦っているが彼は元々は普通の家庭環境で生まれ育っていた。子供の頃はアニメ特撮関係なくヒーローが好きでいつか自分も強くなって世界の平和を維持したいと憧れを抱いた彼は学業の傍ら身体強化のために過酷なトレーニングに明け暮れた。

やがて社会に出ると働きながら星々をまたにかけて悪党を倒す日々を送るようになった彼は一撃で倒せるほど強くなってることに気付いた。あまりに強くなりすぎて退屈気味になってしまうがある日地球に強い戦士がいることを知ると興味を抱いて動き出した。

そんな中サニーはいつものように街を歩いていると一人の青年に名前を呼ばれた。彼はゲンムと名乗るとこう言った。

「俺と戦ってほしい。」
突然の戦いの依頼に戸惑うサニー、ゲンムはその経緯と目的を明かした。

「俺は星々を渡って様々な敵と戦い強くなった。けどあまりに強くなりすぎてどんな強敵も一撃で倒せるほどになって退屈してたんだ。ここにきてサニーの存在を知った俺は彼女なら俺に勝てるんじゃないかと信じて戦いに来たんだ。」
どこかで聞いたような経緯だが、サニーは迷わず答えた。

「わかった。ゲンムが満足できるよう全力を出すわ。」

サニーはゲンムの提案を受けると二人は荒野の真ん中に出た。

「地に倒れて10秒経過したら負けとしよう。」
ゲンムの一言とともに戦いが始まった。

サニーはパンチやキックのラッシュを浴びせ、マシンガンやエネルギー弾を撃つが、ゲンムは微動だにせず防ぐと反撃に出た。
互いの攻撃がぶつかり合うが、ゲンムはサニーを圧倒した。

サニーは反撃に出ようとするが、ゲンムの素早い一撃で遠くに吹き飛ばされた。

「なんて凄い力・・・」
唖然とするサニー。

「これでは満足できぬ。」
ゲンムは物足りなそうに言った。サニーはすぐに立ち上がると再び攻撃を始めた。

エネルギー弾や衝撃波をひたすら当てようとするが、ゲンムは一瞬でよけた。
やがて攻撃が命中し、戦いはより激しくなるが、ゲンムはほとんどダメージを受けていなかった。

そしてゲンムは巨大な光の玉を生成するとサニーに投げつけた。サニーも負けじと巨大な光の玉をぶつけ、攻撃は拮抗した。

サニーは必死に踏ん張り続けるが、次第に追い込まれてゆく。

(ここでやられたらゲンムを満足させられない・・・)

何としてもゲンムを満足させたい。サニーはその思いから力を振り絞るが、光の玉が圧縮して暴発し、その衝撃で二人はその場に倒れた。

サニーはゲンムが満足できるほどの力量を出せなかったことを悔やむが、相打ちとはいえ自分とほぼ互角に渡り合える存在に出会えたことに満足していた。

「またな。」
ゲンムはそう言い残すとどこかへと去っていった。その後、サニーは仲間の警察や機動隊とともにとあるビルの前に来ていた。ビルの屋上では一人の男性が女性に銃を突き付けて立てこもっていた。

「目的は何なの?要求は?」
「人質の女と結婚することだ!要求はない!」

サニーの問いかけに男は答えるとことの経緯を明かした。

二人はマッチングアプリを通じて出会い、男は結婚を意識していた。
しかし彼女は男の収入が少ないことを理由に別れ話を切り出していた。収入のことを言われて激高した男は別れを決意するどころかどうしても結婚したいという理由で無理やりプロポーズを迫るが、それでもなお拒絶されると彼女を人質にとってビルの屋上で立てこもったのだった。

男は人質の彼女に結婚を迫るが、彼女は拒み続けた。

「だったらくたばれ!」
男は人質を殺害しようと引き金を引くそぶりを見せた。サニーと仲間達は犯人を説得するが、聞く耳を持たない。
それどころか興奮した男は人質だけでなく警察も殺すと言い出し、周囲に緊迫感が走った。

何とか人質を助け出そうとサニーは考えるが、下手に男を刺激すると最悪の事態を招く可能性があり、なかなか方法が思い浮かばない。

サニーは男に大切なものや思い出がないか聞き出すが、何もないと即答されてしまい作戦は失敗した。男と人質は結婚と別れの一点張り、もはや打つ手はなくなった。

やがて男は人質を押さえつけだした。サニー達は人質の危険を察知すると強行突破を図ると男は銃で抵抗し、銃撃戦となった。

サニーは人質に弾が当たらないよう細心の注意を取りながら戦うが、人質を気にするあまり次第に追い込まれてしまう。しかし仲間の機転で窮地を脱すると徐々に男を追い詰めていった。

やがて男はサニー達に囲まれ、事件は収束に向かっていったようだが、諦めの悪い男はなおも抵抗を続けた。

そして、男が発砲した銃弾が警官の一人に命中した。サニーは撃たれた仲間に駆けよると男は隙をついて逃げ出すと人質に発砲した。
男の放った銃弾は人質の腹部に命中した。男はその場で逮捕され、撃たれた二人は病院に搬送されたが、警官は防弾チョッキで助かった一方人質は致命傷を負って死亡した。

犯人は逮捕できたが、仲間をかばったことで結果的に人質が殺されてしまい後味の悪い幕引きを迎えた。

サニーは今回の事件で自分は正義のために活躍していたのにそれが果たせず思い悩んでしまう。やがて人質を助けられなかったサニーは自分は刑事としていられる立場にないと感じ、辞職した。

人質を守れなかったサニーはあれから虚ろ目になっていた。無気力になり何に対しても気力が起きない彼女をアムールは気にかけていた。

「私出かけてくる・・・」
サニーはそう言い残して家を出た。

街は平穏で昔よりも治安は良くなりつつあるが、サニーには灰色に見えた。住民も様子のおかしいサニーが気になっているが、今の彼女にはどうでもよく見えてしまった。
街から河川敷に出ると川を眺めた。水面には無気力な表情のサニーが写っていてその姿を見た彼女は自分の無力を痛感した。

やがて人気のない開けた場所に出ると突然周囲に衝撃が走った。目の前に現れた黒マントの姿にサニーは見覚えがあった。

「まさかデッドデビル?」

「まさかこの俺を覚えてるとはねえ。それとデッドデビルはなんかダサいからやめろ。そうしないと殺すよ。」
デッドデビルはこの異名を嫌っていた。サニーはそんな彼の異名を変えた。

「じゃあダークジャスティスね。」
「別に悪くねえな。ククク・・・まあいい、あの時の借りは返すよ!」
彼はそう言うとサニーに攻撃を仕掛けた。抜け殻状態のサニーはなすすべもなく押されてしまう。

「これほどまでに落ちぶれようとは、防戦一方で退屈だけどここでくたばってもらうよ。」
「殺したきゃ殺せばいい・・・私には何も守れないから・・・」

予想外の返答に驚くダークジャスティス。彼はひたすらサニーを甚振った。

「終わりだ」
ダークジャスティスはとどめの斬撃を放った。攻撃はサニーに向かって一直線で飛んでいく。

サニーは黙って攻撃を受けるのを待っていた。

「最後に言い残すことはあるか?」
「全てを救えなかったけど私は充実した人生送れたよ。」

サニーはそう言うと黙って微笑みかけた。攻撃はサニーの目の前まで迫り、死亡するのも時間の問題だった。

すると突然何者かによって攻撃をかき消された。サニーの目の前にはアムール、ルージュ、フローラ、ソレイユ、マイケルがダークジャスティスの前に立ち塞がっていたのだ。

その姿を見たサニーは次第に目の前に色が戻っていった。皆の呼びかけで自分は一人じゃなく無力でもない、そう感じたサニーは再起したのだった。

サニー達は一斉にダークジャスティスに攻撃を仕掛けた。攻撃は聞いてるかに見えたが、殆どダメージを受けていなかった。

「仲間が揃ってもこの程度か、貴様の生ぬるい正義など通用せぬわああああっ!!!」
激しい斬撃を放ち、よけるサニー達。斬撃は大爆発を起こした。

「こんなの食らったら即死だわ。」
ルージュは言う。

再び反撃をするサニー達は無我夢中で攻撃を続けた。しかしダークジャスティスは6人がかりの攻撃をものともせず吹き飛ばした。

「まるで歯が立たないわ。」
かつて一撃で殴り飛ばされて逃げた時とは比べ物にならないほどダークジャスティスは強くなっていた。そんな彼に驚くサニー。

ならばと全方向に分かれて一斉に攻撃を繰り出した。打撃に衝撃波といった持てる力を余すことなく発揮していくが、ダークジャスティスは素手で攻撃を受け止めると攻撃を跳ね返した。
攻撃をよけると再び反撃に出るが、サニーが攻撃を仕掛けた瞬間突然姿を消すと一瞬で背後に回り、攻撃を仕掛けた。

「どうだ、瞬間移動には手も足も出ないだろう!」
ダークジャスティスは高笑いした。その隙にアムールが背後からエネルギー弾で攻撃を仕掛けた。

サニーとアムールで挟む形で一斉に攻撃を始めると再び総力を挙げた。このまま一気に畳みかければ倒せるだろう、サニー達はそう信じて攻撃を続けた。

やがて光の玉を一斉に投げつけると大爆発を起こした。

「やったか!?」

勝利を確信するサニー。しかし煙が消えると何事もなかったかのようにダークジャスティスが立ち上がってきたのだ。

「これだけやっても倒せないなんて・・・」
サニー達は戦慄した。そしてダークジャスティスは反撃に出るとサニー達は返り討ちに遭い、一撃で倒された。

「さて邪魔はいなくなったしこれから人間狩りでもするか。」
ダークジャスティスは不敵な笑みを浮かべながらその場を去ろうとした。サニーはそうはさせまいと彼の足にしがみついた。

「人類を殺して何になるっていうの?」
サニーの問いかけにダークジャスティスは答えた。

「それはもちろん地球を破壊するからに決まってるだろ。目的のためには本来の自然を破壊して環境をめちゃくちゃにする、こんな野蛮な生き物がいたらいずれ地球は滅ぶからそうなる前に人類は絶滅させて本来の自然あふれる地球を復活させるんだよ!それが俺の正義だ。」

ダークジャスティスの思想にサニーは怒りを見せた。

「確かにそれは言えてる、けど自然を守る動きだってあるしそんな一方的な思い込みは正義じゃなくて悪魔よ!」
サニーはそう言いながらエネルギー弾を撃ち続けた。

「じゃあてめえの正義はなんだ?人類が全てだというのか?そういう悪魔はてめえだろ!人類がいるから地球は汚れる、この世界に人類は必要ないんだよ!!」
ダークジャスティスはそう言うとしがみつくサニーを地面に叩きつけて引き離そうとした。しかしサニーは体が血に染まっても決して離れずにエネルギー波を放った。

攻撃を受けた拍子にダークジャスティスは足元が不安定になりその場に倒れた。その瞬間にサニー達は一斉に攻撃を仕掛けようとするが、すぐに立ち上がると反撃に出た。

双方の攻撃がぶつかり合うが、ダークジャスティスは息切れすることなくサニー達を圧倒した。互いが血に染まる中猛攻に耐えるサニー達は次第に限界を感じていた。

「終わりだな。」
ダークジャスティスが止めの一撃を当てようとした時サニーの手から剣が現れたのだった。

突然現れた剣に驚くダークジャスティスにサニーは剣を振りかざした。すると初めてダークジャスティスにダメージを与えたのだった。

これに続き、再び全員で攻撃を始めるサニー達。次第にダークジャスティスは追い込まれていった。

そして剣から放たれた光線がダークジャスティスを直撃し、遂に彼はその場に倒れた。

「やった、遂に終わったのね。」
歓喜するサニー達、しかしそんな彼女たちの前に再び立ち上がると怪物のような姿に変貌した。

「真の力を発揮する時が来た。」
ダークジャスティスはそう言うと口から光線を放った。サニー達が攻撃をよけると彼の周囲に大量の丸い物体が現れると一斉に飛んできた。
何とかよけるとそれは一斉に爆発し、サニーは剣から衝撃波を飛ばして爆弾を処理した。しかし爆弾は次々と降り注ぎ、数が多すぎて処理が間に合わなかった。

ならばと爆弾が飛んでくる前に剣から放つ衝撃波で処理していき、そのままダークジャスティスにも攻撃を仕掛けた。ひたすら攻撃を仕掛けるが、ダメージを受けることなく立ちはだかっていた。やがて不敵な笑みを浮かべると手から放たれた光線が上空に広がると一斉に降り注いだ。

「滅べ人間!!」
ダークジャスティスはそう言いながら威力を高めていった。サニーはひたすら剣で衝撃波を飛ばして光線を消すが、範囲が広すぎて消しきれず周囲では住人に被害が続出し、血濡れになって倒れる者や体がバラバラに破壊された者もいた。すぐにマイケルは救護班を派遣して負傷者の治療に当たった。

そんな中サニーはダークジャスティスへの怒りから剣から黄色い光線が放たれた。攻撃が当たると立て続けに剣で攻撃を続けた。仲間達も続いて攻撃を仕掛けるが、それでも攻撃を抑え込まれてしまった。

次第に劣勢になるサニー達。剣と拳がぶつかり合い、拮抗していたが剣が破壊され、追い込まれていった。

もう終わりだと思った瞬間一人の男が助太刀に入った。サニーはその姿を見てゲンムだと気が付いた。

「ゲンム、来てくれたのね。」
「地球で大変なことが起きてるようで胸騒ぎがしたから駆けつけてみたらえらいことになってるな。」

ゲンムは状況を見て怪物のような姿の敵(ダークジャスティス)にやられたことに気付き、戦いを始めた。するとまるで幅立たなかった怪物化した彼を圧倒したのだった。

ダークジャスティスを一気に追い込むゲンム。止めの一撃でダークジャスティスはその場に倒れた。

「終わった・・・のか?」
半信半疑になるゲンム。するとダークジャスティスのほうから声が聞こえてきた。

「自爆してやる!」
ダークジャスティスがそう言うとタイマーのような音が鳴り始めた。

予想外の宣告に驚くサニー達。

「俺が自爆すれば当然俺は死ぬ、だが全人類も死ぬ。地球とともに吹き飛べ!」
ダークジャスティスは地球ごと道連れにしようとした。

このままでは地球ごと吹き飛ばされてしまい、全てが終わってしまう。サニー達は最悪の事態を回避する方法がないか考えた。

するとゲンムはあることを提案した。

「俺が奴を空高く殴り飛ばすから落ちてくる前にエネルギー波で押し上げ続けろ。そうすれば地上への被害も最小限に抑えられる。」
ゲンムの提案に全員賛成した。

ゲンムはダークジャスティスを空高く殴り飛ばし、落ちてくる前に全員でエネルギー波で押し上げた。

「何の真似だ!?俺だけ殺して生き延びるつもりか?」
最後の悪あがきとばかりにダークジャスティスは破壊光線を放った。双方の攻撃がぶつかり合うが、ゲンムを加えた7対1では成すすべもなかった。それでもサニー達を殺そうと限界まで威力を高めた。

「人間どもが神に逆らうなあああああっ!!!」
「たとえ神様だろうが何だろうが地球は破壊させない!!!」
自らを神と称するダークジャスティスだがサニー達に押され、どんどん上空へ押し上げられていった。

そして遂に上空で大爆発が起き、ダークジャスティスは一人自爆で散ったのだった。

その後爆発による被害はなく平穏な日常が戻った。ゲンムは戦いが終わるとまたどこかへと去っていき、サニー達も元の日常に戻っていった。しかしサニーには何か引っかかることがあった。

「私のやってることは正義なんだろうか?」
サニーの言葉にアムールは目を丸くした。

「正義というのは見方によって変わります。一見悪に見えることでも見方によっては正義であれば正義に見えることでも見方によっては悪に見えることもあるでしょう。それに正義の心が暴走すると逆に悪になってしまい、世間から非難されてしまうかもしれませんから正義に正解はありません。しかしサニーは地球を守ったので何も間違っていませんよ。」
アムールの言葉に心が軽くなるサニー。

それからはアムールの言葉をモットーに活躍するサニーであった。しかしその一方で刑事を辞職したサニーは収入を失い、暇を持て余し気味だった。といっても宝くじで当てた10億ドルはまだ残ってるので収入がなくても生活は可能だが、それでも何か収益を得ようと思っていた。
しかしサニーは再就職するよりも自分で何か始めようと思っていた。

皆で会議をして提案を聞くサニー。アムールは人のためになる仕事、ルージュは食べ物屋、フローラは花屋、ソレイユは壊れたものの修理、マイケルは様々な需要に応えられる仕事を提案した。サニーはどれも興味があるが、さすがに全部やるのは難しいはず。とりあえずは決まり次第発表を念頭に一旦解散した。

全ての提案を見返すサニーだが、どれにするか迷っていた。できることなら全員の意見を尊重したい、そう思うサニーは苦悩した。
そんな中アムールはあることに気付いた。

「人のためになること、様々な需要に応えられるは使えるのではないでしょうか?」
アムールの一言でサニーはすぐに思いついた。

そして再び会議を開き、サニーは何でも屋を始めることを発表した。何でも屋であれば全ての提案に対応できるのだ。
サニーの提案に全員が賛成すると今度は社員を募集した。マイケル一家は仕事や家庭の都合で入らないが、サニー達をサポートする役回りを担うことになり、サニー、アムール、ルージュが社員という形になった。こうして事業に向けて大きく前進したが、肝心の店名がまだ決まっていなかった。

どんな店名がいいか提案すると客が幸せになれるような店名や良い日常に関係するものがいいという意見が出た。これらを基にサニーはハッピーライフにしようと考えた。これには一同太鼓判を押し、サニーは自宅で何でも屋ハッピーライフを開業したのだった。

ハッピーライフを開業したサニー達は依頼人が現れるのを待っていた。

やがて呼び鈴が鳴って出ると中年女性が立っていた。彼女は息子が太りすぎてしまいその上ダイエットもやろうとせず困っていたという。

「息子が幼いころに旦那を亡くしたから父がいない寂しさを感じさせないよう愛情たっぷりに育てたらこんな風になっちゃってね。少し甘やかしすぎたわ。」
彼女の言葉を聞いたサニー達は母子の自宅へ向かうとそこにはお菓子をむさぼりながら横になってる息子の姿があった。このままでいるとやがて大きな病気にかかるので息子にダイエットするよう言うが、息子はめんどくさがって聞く耳を持たない。
それでも母はダイエットさせようとするが、怒った息子は家を飛び出した。

サニー達は息子を探しに出た。一方息子は一人で街をさまよっていた。すると数人の男が突っかかってきた。

「てめえデブすぎて邪魔なんだよ!」
男らは息子を壁に押さえつけると一方的にリンチにした。(俺がこんな風になったせいで・・・)息子は今までの生活習慣を悔やんだ。そして男らが止めを刺そうとした時突然殴り飛ばされた。

そこにはサニー達と母親がいた。サニーに助けられた息子は今回の一件でダイエットを決意したが、倒された男は今度は母親を侮辱し始めた。

「息子が息子なら親も親だ。ハッハッハ!」

「俺が侮辱されるのはいい。けど家族を侮辱したらぶっ殺してやる!次やったら本当に命ねえからな!!」

息子は母を侮辱された怒りで男らを怒鳴りつけると恐怖に慄きながら逃げていった。

その後、息子はサニー指導の下ダイエットを始めた。最初は少し動いただけでも疲弊していたが、毎日続けていくうちに次第に長続きするようになっていった。やがて息子は見る見るうちにスリムになっていき、いつしか見違えるほどになっていた。

ダイエットが終わり、母子はサニー達に別れを告げると「また会いたい」という息子に「リバウンドだけはしないでね」と二人を見送った。その後様子を見るとリバウンドすることなく平穏な日々を過ごしていたのだった。そんなある朝目覚ましのアラームが鳴り、サニーは起きるとトイレを済ませて着替えると朝食を調理した。やがてアムールも目を覚まして着替えると二人は朝食を済ませた。

食器の跡片付けをして化粧を済ませるとルージュが出勤してきた。3人が揃うとサニーは準備中の札を営業中に変えてこの日の営業が始まった。何でも屋という職業柄依頼が来るのは日によってまちまちで多い時もあれば一件も来ないこともあるが、夕方になりこの日の業務が終わってルージュが帰宅すると二人は晩の買い出しに出かけた。やがて一通り買い揃えて帰宅すると夕食の調理を始めた。食卓は交代か一緒にやったりしてるようだった。

夕食を終えるとサニーは風呂を沸かした。日によってはアムールがやることもありここも交代制かもしれない。そしてサニーが入浴を終えるとアムールが入っていった。どうやらサニー→アムールの順番のようだ。

風呂上がりになると二人はパソコンでインターネットを閲覧していた。個人サイトからSNSまで一通り目は通していてSNSでのその日の話題は欠かせないようだ。

やがて二人は就寝し、この日も何事もなく過ぎていった。明日はどんな日になるだろうか。

所変わってレッドとブルーが地獄に来てから秩序は乱れに乱れていた。その後ダークジャスティスが来て秩序が戻ったかと思われたが彼が独善すぎるせいで顰蹙を買ってしまい治安は悪化の一途をたどっていた。閻魔大王はそんな現状に悩まされていたが彼らを見て何かを思いついた。

その頃サニー達は普段と変わらぬ日常を送っていた。平日は働いて休日は遊んで実に平穏な風景だ。そんな時突然空間が割れると中からダークジャスティスがレッドとブルーを従えて現れた。サニーはあの時のことを思い出すと当時を知らないアムールとソレイユはそれを聞いて戦闘態勢をとった。

「今回は必ず倒す。」
「それはこっちのセリフよ!」

サニーとダークジャスティスが互いに口を開くと戦いが始まった。互いの攻撃がぶつかり合うとそれぞれ拮抗した。サニー達は一斉に押し切ろうとするが敵に押されてしまう。

それでも諦めないサニーはその思いに応えるように剣が出てきた。剣で一気に攻勢に出ようとするが敵側は以前よりも強化していて攻撃を受けてもダメージを受けていなかった。

「残念だがもう諦めろ。」

ダークジャスティスがそう言うと3人でビームを放った。サニーは剣で跳ね返して反撃するがまるで攻撃が効いていなくてよけようとするがビームの追撃が襲い掛かった。

攻撃を受けたサニー達はその場に倒れこんだ。

「もう終わりか・・・」
そう漏らすダークジャスティスだがサニー達は諦めずに立ち上がった。

再びサニーは剣で打撃を加えるとやがて光り出した。剣から放たれる光線で一気に畳みかけると敵は初めてダメージを受けた。これでサニー達は優位に進むかと思われたがダークジャスティスはレッドとブルーを吸収したのだった。

驚くサニー達にダークジャスティスは激しい猛攻を仕掛けるとサニーが持っている剣を破壊した。それでもめげずに立ち向かい、何とか抑え込もうとする。しかし二人を吸収した力はより強大さを増していて攻撃を受けたサニー達は吹き飛ばされてしまった。

何とか体勢を立て直して一斉に反撃に出るが幾多のダメージで体力を消耗していた。だからと言ってここで諦めたら世界は終わってしまう。サニー達は一斉に攻撃を仕掛けた。ここで負けるわけにはいかないと限界まで力を振り絞った。

やがて少しずつではあるがダークジャスティスを追い込んでいった。するとダークジャスティスは巨大な怪獣へと変貌していった。

怪獣化したダークジャスティスは口から破壊光線を放った。サニー達がよけると地面にはクレーターができた。

サニー達は一斉に攻撃を仕掛けるがまるで歯が立たない。それどころかレッドとブルーを吸収したからか攻撃力と耐久性も以前より大きく上がっていた。それでも奴の好きにはさせまいと必死に攻撃を続けた。

しかしダークジャスティスは一切動じることなくサニー達を蹴り飛ばすと再び破壊光線を放った。

「貴様らの攻撃などぬるいわ!」
ダークジャスティスはサニー達を挑発した。しかしサニー達は動じることなく作戦会議を始めた。

するとサニー達はダークジャスティスを囲うと一斉に攻撃を仕掛けた。体全体にビームを当てれば全体に攻撃が効くと考えた。しかしそれでもまるで動じなかった。

もう倒す手段はないのか・・・一度は諦めかけたがここでやらなければ何も変わらないと攻撃を続けた。しかし

「いい加減しつこいんだよ!!」
ダークジャスティスはサニー達を蹴り飛ばすととどめの一撃を仕掛けようとした。

すると何者かがダークジャスティスに渾身の一撃を放った。それはゲンムだった。

「ここは俺が食い止めるからそれまでに回復させるんだ。」
サニー達はいったんその場を後にした。

一方ゲンムはダークジャスティスの猛攻をものともせずに対等に渡り合っていた。一進一退の攻防が続き戦いは激しさを増していく。

「お遊びはここまでだ。」
ダークジャスティスはそう言うとゲンムを蹴り飛ばして破壊光線を放った。ゲンムもエネルギー波で迎え撃ち双方の攻撃がぶつかり合うと拮抗した。

互いに威力を高めあうとやがて双方の攻撃が圧縮して大きくなって激しい爆発を起こした。爆発の衝撃でゲンムが倒れるとダークジャスティスはとどめを刺そうとした。

すると何者かがダークジャスティスに渾身の一撃を放った。それは回復したサニー達だった。
やがてゲンムは起き上がると全員で攻撃を始めた。

ダークジャスティスは反撃に出ようとするがさっきの爆発でダメージを受けたのか動きが鈍くなった。サニー達はこれをチャンスに攻撃を続けるとついに倒れたのだった。

倒れたダークジャスティスは元の姿に戻ると吸収されていたレッドとブルーも出てきた。するとそこに黒いローブを着た何者かが現れた。その姿を見たサニーはあの時の閻魔大王であることに気が付いた。

しかし閻魔大王はダークジャスティスらを吸収するとこう言った。

「世界を地獄に染めてやる!」
閻魔大王の言葉にサニーは唖然としていた。

「いったいどうして・・・あなたはそんなことする人じゃないでしょ?」
サニーの疑問に閻魔大王はこう言った。

「レッドとブルーを地獄に送り込んでからろくでもないことばかりなんだよ。そこにダークジャスティスを加えたらもっと滅茶苦茶になりやがった。こんな状況が続くなら天国も現世もみんな地獄に飲み込まれればいいってことなんだよ。」
閻魔大王はそう言うとサニー達にエネルギー弾を放った。

とっさによけると直撃した壁は派手に爆発した。奴の攻撃を受けたら一撃でやられるかもしれないとゲンムは先陣を切って攻撃に出た。しかしダメージは全く受けておらず逆にゲンムが一撃で倒されてしまった。

あのゲンムが一撃で倒されたことに驚きを隠せないサニー達。それでもめげずに攻撃に出るがことごとく返り討ちに遭った。

「もうこんなことはやめて。」
サニーはそう言うが閻魔大王の考えは変わらない。

「やめろといわれてやめるものか!」
閻魔大王は止めを刺そうとした。それをゲンムは止めようとした。

全力で攻撃をするゲンム。サニー達も何とか起き上がると彼に続いた。

閻魔大王はエネルギー波でサニー達を迎え撃つと互いのエネルギー波がぶつかり合った。攻撃は拮抗してるかに見えたが、閻魔大王に押されるサニー達だった。

しかしそれでも何とか踏ん張り耐え抜いた。全員で息を合わせれば勝てるかもしれないと一斉に威力を限界まで引き上げた。

すると閻魔大王に初めてダメージを与えることに成功したのだった。このまま優位に進めようとするサニー達だがダメージを受けたことに怒った閻魔大王は現世・天国諸共地獄に飲み込もうとした。

「これでもう俺を倒すことはできない。」
閻魔大王はそう言うとサニー達に攻撃を仕掛けた。地獄では閻魔大王の威力が大きく上がりサニー達はなすすべもなかった。もはやこれまでかと思った時そこに二人の男女が現れた。

それはジェイソンとジェイミー、つまりサニーの親だった。サニーは親の後押しで再起を図るが、閻魔大王は二人を蹴散らした。

「許さない・・・絶対に許さないんだからあああああ!!!」

怒りを爆発させたサニーは激しい猛攻を仕掛けた。激しい怒りに目覚めたサニーの威力は凄まじく一度は圧倒するが怒りに任せたことが仇となって逆にねじ伏せられてしまった。

いくら戦えど閻魔大王相手ではさすがに敵わないだろうか?そんな中マイケルは一か八か修行部屋でパワーアップしようと考えて一度は退散するのだった。

修行部屋に移動したサニー達は強化トレーニングを開始した。

閻魔大王を倒して現世や天国を地獄から解放すべく修行を続けるサニー達。何としても世界を救わねば・・・その思いは同じだった。

一方閻魔大王は人々にこう宣言した。
「サニー共はみんなを見捨てて逃げてったぞ!ワーッハッハッハ!!」

しかし周囲の人々はサニー達が裏切るわけがないと主張した。それでも閻魔大王は自分に反発する者には威圧的な態度をとるも攻撃を仕掛けることはなかった。

そこに修行を終えたサニー達が戻ってきた。戦いが再開され、互いの攻撃がぶつかり合った。閻魔大王は今度こそサニー達を皆殺しにしようとするが修行を終えたサニー達はパワーアップして優位に立った。

なおも抵抗する閻魔大王だがパワーアップしたサニー達にはなすすべもなく追い込まれていった。そしてサニー達は激しい攻撃の末閻魔大王を圧倒したのだった。

「これで終わったのね。」
安堵するサニー。しかし世界は元に戻らなかった。

「とうとう俺を本気にさせたな。今こそ真の力を開放する。」
閻魔大王はそう言うと巨大な怪物に変貌した。

怪物化した閻魔大王は激しい攻撃を仕掛けた。サニー達は抵抗するが本気を出した閻魔大王に手も足も出なかった。それでも負けじと精一杯戦うが圧倒的に押されてしまう。

「これで終わりだ!」
閻魔大王はそう言うと口から破壊光線を放った。サニー達は攻撃をよけながらエネルギー波を放ったりするがダメージを受けることなく耐えきると空から大量のエネルギー弾を投下した。

大量のエネルギー弾にサニー達はなすすべもなく浴びてしまい全身から血を流して倒れた。それでもここで終わってはいけないと再び立ち上がって攻撃を仕掛けた。

こうなったら攻撃が効くまでひたすら攻撃し続けようと血濡れになりながら戦い続けるサニー達。そんなことなどお構いなしに閻魔大王は再びエネルギー弾の雨を降らせた。エネルギー弾は周囲の人々にも降り注ぎ、激しい爆発で体が破裂して飛散するなど地獄絵図となった。

やがて遺体をサニー達に激しく叩きつけると握り潰したり食べるなどした。あまりに残忍な行動にサニー達は強い怒りをあらわにするとそれによって威力が上がるが閻魔大王はサニー達を捕まえると地面に叩きつけた。

激しく叩きつけられたサニー達はそのまま動かなくなってしまった。

とある町で幼き日のサニーは親の愛情を受けて幸せな日々を送っていた。たとえ治安が悪かろうとも自分にとっては平穏な日常だった。

しかし突然現れたギャングに親を殺されてしまい身寄りを失ったサニーは幼馴染のルージュの家に身を寄せた。そこで同じ境遇にいたフローラと出会い新たな生活が始まった。

サニーはルージュやフローラと一緒に遊んだり同じ学校で勉強を共にした一方で親の敵を討つべく身体強化を始めた。学業や社会生活の傍らでひたすら己を鍛えた。

やがて成長して独立すると形見である母の私服と父のマントを着用して過ごすようになり修行により力を入れた。そして様々な人々とかかわりあいながら今に成長を遂げた。

「・・・」
ふとサニーは目を覚ますと過去を思い出していた。それは他の皆も同じでマイケルは大企業の御曹司として英才教育で育ったこと、ゲンムは強くなるために修行を続けたら超人レベルにまで強くなっていったことを思い出すと気が付けばそこにはホットの戦士も駆けつけていた。

「俺たちも一緒だ。行くぞ。」
サニー達は起き上がると閻魔大王に立ち向かった。

「数が増えたからって調子に乗るなあああ!!!」
閻魔大王はそう叫ぶが起き上がったサニー達は一斉に攻撃を仕掛けた。何度圧倒されても絶対に屈しない、なぜなら今のサニーにはこんなにも頼もしい仲間がいるからだ。そんなサニー達を今まで出会った人々を含むたくさんの人たちが見守っていた。

多くの人々の声援に応えようとサニー達はどんどん威力を上げていった。

「これで終わりよ!!」
サニー達は一斉にエネルギー波を放つと一つの巨大な渦となって閻魔大王に直撃した。攻撃を受けると元の姿に戻り世界も元に戻った。

「どうやら間違ってたのは俺の方だったな。現世にも天国にも幾多の迷惑をかけたから俺は地獄に戻るよ。最後にこれだけは言っておくがこれからの行い次第では天国にも地獄にも入りうるからな。間違っても地獄行きにだけはなってはならんぞ。」

閻魔大王はそう言い残すと地獄に消えていき地獄の穴も消えた。全てが終わり日常が戻った地球ではまた平穏な日常が戻ったのであった。

閻魔大王との戦いから少し経ったある日サニーはハッピーライフの経営者としてルージュ、アムールと共に依頼を遂行する日々を送っていた。成功することもあれば失敗することもあるがなんやかんやで何気ない風景だ。

一方のフローラも大企業を経営する夫マイケルを支える妻として学校に通いながら会社経営に携わろうとするソレイユを支える母として平穏な日々を送っていた。楽しいこと苦しいこと等色々あったがサニー達はさまざまな人々とかかわっていくうちに精神面で成長したり様々な発見を繰り返していった。

地獄に戻った閻魔大王は相変わらずダークジャスティスらに手を焼いていたが本業により力を入れて働いていた。今までサニー達が出会った人々もなんやかんやで生き生きと生活していた。

そんなある日サニー達は公園でのんびりしていた。サニーは街の風景を見てふと気が付いた。

「街もだいぶ平和になってきたね。」
長年の功績が実ったのか街の治安は日に日に改善が進んでいた。街が平和になってきたのは実にいいことだ。サニーはそんな平穏な風景をのんびり眺めていた。

その後街を歩いたりして休日を楽しみ気が付いたら夕方になっていた。サニー達はそれぞれの帰路についた。

夜になりサニーとアムールは夕食と風呂を済ませると寝室でくつろいだ。

「明日もいい日になるといいね。」
「そうですね。」
やがて二人は就寝した。

翌朝、サニーとアムールは朝食と身支度を済ませるとルージュが出社してハッピーライフの営業が始まった。この日も日々舞い込んでくる依頼を遂行すべく全力で仕事に取り組んだ。時には大変なこともあるけどそれがサニー達の生きがいになっていた。

一方マイケルも大企業の経営者として様々な業務に追われているが決して不満を抱かず自分に誇りを持っていた。ソレイユもマイケルと働くことを夢見て日々勉強に励みながら友人と一緒に遊んだりと充実した日常を送っていた。

サニー達はそれぞれの日常を日々過ごしていた。きっとこれからも平穏な日常が続くことだろう。

その後ソレイユは学業と併せてマイケルの補佐をするようになり社長への一歩を進み始めた。一方サニー達はハッピーライフとして変わらぬ日々を過ごしていた。これからどんなことが起きるのかはこれからの楽しみだろう。

終わり

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